妖狐と私




「え……なに言って……」







私は後ずさりするが、香奈の周りにいる女子たちが私の背後に立つ。




 ……本気なの?




「ねぇほら、私たちは何もしないからさ?自分で落ちてよ。「自殺」っていうやつ?」




大きな声で笑う女子たち。




そして私は香奈に腕を組まれ、柵のところまで連れていかれる。




「ほら柵乗り越えてー」




香奈は私に指示してくるけど、当たり前に私の足はすくむ。

















 いや待って、なにこれ……。




 私、死ぬの?














「あ、そーだ~。もしここから落ちて生きてたらぁ、あんたへの嫌がらせ、やめてあげる」



















 ……は?


















「ね?いい案でしょ??」















 いいわけないでしょ?




 こんなところから落ちたら私……











柵の外に頭を少し出して下を見ると、全身がぞくっとした。




地面が小さく見える。





想像していたより高くて、とてつもない恐怖が襲ってくる。











 ここから落ちろっていうの!?




 冗談でしょ!?