今日からテストと言うのも都合がよすぎて、寧ろ、潮時なのかもしれないと、思わざるを得なかった。

 すぐに放課後になり、一斉に女子たちがクラスの中へ押し寄せる。

「希乃来くん! 帰ろーっ!」
(あーーーーーー)
「ありがとう、今日は誰と帰る?」

 口角が自然に上がるくらい板についた偽笑顔。自分でも醜いと思う。
 見事にテストがあった一週間はトキと遭遇することもなく、非日常的生活を送っている。
 女のオプションはありがた迷惑だが、一人だけ、ファンクラブとかいうふざけたグループ内で気になる子ができた。

 テスト何日目かの放課後、オプションを隣に帰っていた日。