目を開けた。
今の私にとって、とても驚くべき行動をとった自分。
手足も動くことを確認した後、目だけを動かして周りを見てみる。
とても幻想的な場所にいるようだ。
私は綺麗な水に浸かっており、周りには目を奪われそうなほど美しい花々が少々光を放ちながら咲いている。
冷たい、暖かい、という温度変化は感じられない。
思考回路が追いつかず、ここは何処なのか、という問題は一旦喉の奥に飲み込むことにした。
思考はそのまま、過去へと遡る。
私は、○んだ…はず。
特に理由はない。
いじめられてた訳でも、
親が意地悪だった訳でも、(寧ろ大事にしてもらった)
なにか大きな悩みを抱えてた訳でも、
ない。
でも、興味本位で軽率な行動を取ったわけでもない。
ただ「望み」だったんだ。
強いて言うなら、「自分が嫌いだから」「この理不尽な世界から居なくなりたかったから」かな。
・・
人が食べ物を求めるように、私はそれを求めた。
本能的な何か。
ただ、何故現実味が無いのか、というと、痛みを伴っていないから。
見える範囲で自分の体に異常はない。
もしかしたら、世に言う「走馬灯」の途中なのかもしれない。
でもそうすると、意識を手放す前に見た黒い翅の男の子の説明がつかない。
「僕の為に生きろ」だっけか?
私は自分の状況を少しずつ整理していった______