❮なぁに?❯
男の子が聞く。
「お前らって何歳なの?」
ズバッと聞いてみた。
〈何歳に見えます?〉
「そんな風に聞かれてもね。」
俺の言葉に二人が少しがっかりしたのがわかった。
〈そうですよね。わかったらすごかったですけどね〉
女の子は少し笑いながら言った。
❮わかったら褒めてあげたのに❯
続けて男の子が笑いながら言った。
〈私はまだ13歳です。〉
❮僕は12歳。❯
二人が答える。
「え??」
俺は驚いた。なぜなら、妖精は200歳だーなんて事聞いて育ったからだ。
〈私達、妖精は人間と同じように子供は生まれます。その時、子供は0歳です。でも、人間とは違って今の私達のような姿を持って生まれます。人間と同じで生まれた時に亡くなる妖精もいます。〉
女の子は続けた。
〈その後、産まれた次の日から通常はちゃんとした妖精になるための訓練が始まっていきます。〉
❮次の日からやるのは産まれた日の検査で健康という診断を受けた妖精だけで、問題アリってなったら回復後に始めるんだ。❯
男の子が言って女の子が続ける。
〈それから10歳になると試験を受けることができます。この試験は妖精になるために最も大切な実習を受けることができるかの試験です。私たちはそれに合格したのでここにいます。合格した者は次の日になると訓練官に与えられたものの妖精としてそのものが修復不可の状態になるかその妖精がその環境で暮らせなくなるまで働き続けなければなりません。〉
❮修復不可とか妖精が働けなくなったら妖精ランド(自分たちの国)へ戻されるんだ。そこでまた検討されて、働くか違うものに変わるかが決まるんだ。❯
男の子がつけたした。
そして俺が聞いた。
「平均何歳まで生きられるの?」
❮うーん(。-`ω´-)最高と最低ならワカルンダケドネー。❯
男の子が言った。
「最高と最低って年だよな?」
俺は男の子に確認した。
❮そうだよそうだよ。❯
男の子が笑った。
❮知りたい?ねぇ、知りたい?やっぱ、知りたいよね?❯
男の子が聞いてくる。
「ウ・・ ウン(・д・`;)」
俺は答えた。
❮最低はねー!❯
〈0歳ですよ〉
男の子が楽しそうに話している時女の子がいった。
❮なんでいうんだよー!❯
〈煩いなぁー。〉
❮(゚Д゚)ハァ?お前の方がうるせぇーよ。❯
〈お前は、私に喧嘩をうっているのか?(*´∀`)←殺る気〉
❮ぜーんぜん怖くないですよー(((¯―¯٥)←ヤバいなぁ。❯
〈それにお前は姉の私に出番渡すべきだろ!!!ヽ(`Д´)ノ←嫉妬?w〉
❮嫉妬だなー。それ嫉妬だぁぁー。思っしろーい( ゚∀゚)ウァハハ八八ノヽノヽノヽノ \❯
〈〆ようか?←もはや殺る気の塊〉
❮どうやって殺すのー?ヽ(*´∀`)ノ←自称 勝者❯
〈そうだねー。毒死?凍死?焼死?溺死?絞死?殺死?楽死?病死?窒息死?なーんでもいいよ。好きなの言って?(*´∀`)←誰か止めて〉
❮ごめんない。僕が悪かったです。はい、調子に乗りました。だから、殺すのだけは勘弁をぉ…。❯
〈えぇーつまんないのー!丁度いいじゃん、いっそ死のうよ!殺らせてよ。ね?いいでしょ?〉
❮え…。❯
〈ねぇーどれがいいの??〉
〈おぉーいおぉーいww〉
二人の喧嘩の決着は女の子の圧勝だった。2人の喧嘩についていけなかった俺は最後までただただ口を開けて見ていることしか出来なかった。最終的に男の子が喋れなくなって面白くなくなったのか二人とも何も言わなかったが、勝ち負けはその場の雰囲気が語っていた。
さすがに俺も罪悪感とやらを感じたようで仲裁に入っていた。
「ま、まぁ、落ち着けよ…な?」
俺は女の子に言った。それで我を取り戻したかのように女の子は内気になった。それは、二重人格かと疑っても仕方ないくらいに。
〈ほ、ほんとにごめんなさい!!〉
かなり焦っているように見えた。まるでコップを割った子供がそのコップを隠していたのに親に見つかってしまったような焦りようだった。そして、親に怒られるとビクビクする子供のようだった。
その姿を見た俺は女の子は本当に二重人格なのではないかと思った。それにはもちろん訳がある。
一つは、勿論、あの性格の変わり方。目の色が少し変わってように感じてから性格は別物だった。
二つは、何かを隠すような態度。大抵、二重人格の人は隠そうとするであろう。例えば、人が本性を隠すのと同じだ。我に戻ったような顔からは焦り驚き悔しさ悲しさ。様々な気持ちが読み取れた。
たった二つの理由と俺の感でしかないが、二重人格はほぼ確定だろう。こんな推理をするのは俺らしくはないが少し楽しいものだ。
思い切って聞いてみるべきだろうか。でも流石に隠していることを後先考えずに聞くのもどうかと思う。そんな事をするのはただの馬鹿でしかない。俺が他人に馬鹿だとは言えないけどな。
なんて独り言のようなものを心の中で呟き続けたが、やはり、気になったものは気になる。仕方ないことだ。
「なぁ、お前ら二重人格だったりする?」
俺は大して変わらないであろう小さな気遣いからあえて2人に聞いた。