恋の後味はとびきり甘く

 でも、トロンと閉じた目が愛らしくてヌイグルミみたいだ。

「わー、どうしよう、かわいすぎる!」

 ペンギンが首を曲げてくちばしを脇の下に挟んで寝ている構図とか、普段は見られない姿に楽しくなってくる。それに、場所によってはライトや音楽を使ってロマンチックな演出がなされていて、デートにぴったりだ。周りもカップルばっかりで、薄暗い水族館の中なら、私と涼介くんの年の差も気にならない……。

 ふと隣を見たら、カップルが水槽の前でキスをしていた。

 小さく息を呑んで視線を逸らす。涼介くんが私の不自然な動きに怪訝そうにして隣に視線を送り、カップルに気づいた。

 なんとなく気まずくなって歩き出そうとすると、目の前に涼介くんの腕が伸びてきて、通路の壁にトン、と手をついた。行く手を塞がれて戸惑って彼を見上げたら、深い青色のライトの下、涼介くんが顔を傾けたのが見えた。直後、彼の唇が私の唇に触れる。

 わ。

 唇はすぐに離れたけれど、突然のことに頭が真っ白になる。

「鈴音さん?」

 小声で名前を呼ばれて初めて、彼に顔を覗き込まれていることに気づいた。