彼氏はいるんですか、とか訊かれたらどうしよう。やっぱり正直に答えるべきだよね? あ、でも、正直すぎるのはダメだよ。生まれてこの方彼氏はいませんっていうのは、大人の女性としてどうかと思われそうだし、引かれたら嫌だ。
って、私、なにを意識してるの!?
ひとりで焦っている私にかまわず、涼介くんが続ける。
「カイギョウシキンはどうされたんですか?」
「え?」
カイギョウシキン?
それが開業資金だとわかったのは、涼介くんが頬を染めたときだった。
「や、すみません。会って二度目にお金の話をするのはやっぱり失礼ですよね」
「そ、そんなことないです。えっと、開業資金はそれまでの貯金と退職金を充てました」
「やっぱり会社を辞めるときには、ご両親に反対されましたか?」
「あー……」
テーブルの上の砂時計の砂が全部落ちていることに気づき、私はいったん口をつぐんだ。ティーコージーを取って、白いティーカップに紅茶を注ぐと、ほのかに柑橘系の香りがふわっと香った。
ああ、癒やされるなぁ。
って、私、なにを意識してるの!?
ひとりで焦っている私にかまわず、涼介くんが続ける。
「カイギョウシキンはどうされたんですか?」
「え?」
カイギョウシキン?
それが開業資金だとわかったのは、涼介くんが頬を染めたときだった。
「や、すみません。会って二度目にお金の話をするのはやっぱり失礼ですよね」
「そ、そんなことないです。えっと、開業資金はそれまでの貯金と退職金を充てました」
「やっぱり会社を辞めるときには、ご両親に反対されましたか?」
「あー……」
テーブルの上の砂時計の砂が全部落ちていることに気づき、私はいったん口をつぐんだ。ティーコージーを取って、白いティーカップに紅茶を注ぐと、ほのかに柑橘系の香りがふわっと香った。
ああ、癒やされるなぁ。


