「こういう大人っぽい柄が好きなんですか?」
テーブルの向かい側から彼が言った。
「はい」
扱うチョコレートを引き立てようと、店は白を基調にしたシンプルなインテリアだし、ディスプレイもすっきりとまとめている。でも、チョコレートのため、というのもあるけれど、そもそも私は身長百七十センチと女性にしては背が高く、奥二重のあっさりした顔立ちだから、あまりラブリーなものは似合わないのだ。
「店の雰囲気にも合ってますね」
「ありがとうございます」
「それにあなたの雰囲気にも……」
言いかけた彼が口をつぐんだ。そうして改めて私を見て言う。
「俺、滝井(たきい)涼介って言います。先日お話しした製菓専門学校の一年生で、今二十歳です」
二十歳かぁ。そのくらいだと思ってたんだ。
納得している私に、彼が言う。
「お名前、教えてもらえませんか?」
テーブルの向かい側から彼が言った。
「はい」
扱うチョコレートを引き立てようと、店は白を基調にしたシンプルなインテリアだし、ディスプレイもすっきりとまとめている。でも、チョコレートのため、というのもあるけれど、そもそも私は身長百七十センチと女性にしては背が高く、奥二重のあっさりした顔立ちだから、あまりラブリーなものは似合わないのだ。
「店の雰囲気にも合ってますね」
「ありがとうございます」
「それにあなたの雰囲気にも……」
言いかけた彼が口をつぐんだ。そうして改めて私を見て言う。
「俺、滝井(たきい)涼介って言います。先日お話しした製菓専門学校の一年生で、今二十歳です」
二十歳かぁ。そのくらいだと思ってたんだ。
納得している私に、彼が言う。
「お名前、教えてもらえませんか?」


