恋の後味はとびきり甘く

 涼介くんに言われて、私はチョコレートをひと粒取り上げ舌にのせた。指の間では形を保っていたが、舌の上でゆっくりと滑らかに溶け、濃厚なミルクプラリネの味が広がっていく。こんなに濃厚なプラリネなのに後味がやさしい甘さで、ひと粒でも幸せな気持ちが込み上げてくる。

「このプラリネをモン・トレゾーで売ってもらえませんか?」

 涼介くんに問われて、私はしっかりとうなずいた。七年前とは比べものにならない完成度の高さは、彼の努力の結晶だ。それをうちで販売させてもらえるなんて、こちらこそ光栄なこと。

「ぜひうちで扱わせてください」
「ありがとうございます!」

 涼介くんの顔にホッとしたような笑みが広がった。だが、彼はすぐに表情を引き締めてコートのポケットに片手を入れた。

「それで……こっちの方も受け取ってください」

 そうしてポケットから濃紺の小さな箱を取り出した。見覚えのあるベルベットのケースが開けられ、小さなダイヤモンドを抱いた指輪が現れた。それを右手で取り上げて彼が言う。

「本当はもっといいのを買い直そうと思ったんですけど、俺の気持ちはあの頃から変わっていないって伝えたくて」