恋の後味はとびきり甘く

 涼介くんの目が熱く潤んでいた。私がうなずくと、彼の両手が背中に回され、ギュッと抱きしめられた。強く……息ができないくらい激しく。それでも七年分の想いは落ち着くこともなく、私も彼の背中にしがみついた。

 しばらくそうしていたが、ふいに涼介くんが言う。

「キスしたいけど、ここではちょっとまずそうですよね」

 涼介くんに言われて、私は彼の肩越しに商店街を見た。道行く人たちがチラチラと私たちを見ている。

「そ、そうかも」

 つぶやいたとき、彼を抱きしめていた左手がそっと剥がされ、白い四角い箱を握らされた。

「なぁに?」
「鈴音さんへのプレゼントです」

 私はそっと体を起こした。涼介くんが私に向き直る。

「開けてください」
「あ、はい」

 それは表面に『ショコラ・レーヴ』と深紅の文字でプリントされた白いチョコレートの箱だった。

「涼介くんはショコラ・レーヴで修業してるんですね」
「正確には“修業してた”です」