私を見下ろす鳶色の瞳が細められる。額にうっすらと汗が浮かび、私を穿つ彼の動きが切羽詰まったものになる。

 聞こえるのはベッドの軋む音、荒い息づかい。そして大好きな人の声。

「鈴音(すずね)さん……」

 声に緊張が走り、涼介(りょうすけ)くんが悩ましげに眉を寄せた。

 この表情(かお)も好き。なにもかもが好き。言ってないけど、言えないけど、本当はずっと一緒にいたい……。

 もっと彼を感じたくて、彼の首に両手を回し、彼の腰に両脚を絡めた。彼との距離が縮まって、彼の体温に全身で触れる。

「鈴音さん……俺、も……ダメ」

 耳もとで彼の熱い息がした直後、彼が体を押しつけるようにして背を反らした。今だけは同じ目的地を目指して、彼にしがみつく。

 伝わってくる互いの熱、体内で渦巻く快感。今この瞬間、私はあなたのもの。あなたは私のもの。

 ギュッと目をつぶっていた涼介くんが、ぶるりと体を震わせた。熱っぽい表情で切なげに吐息を漏らす。