「澪は?どうなの?」


『どう、って…別に』


「だって付き合って1年半でしょ?同棲だってしているし、そろそろ?」


そろそろ結婚なんだろうか
一般的にそうなんだろう

けど、私にはピンとこない


『んー、まだいいです。和弥は結婚したら仕事を辞めてほしいみたいで…』


そうなの?と話に食いついてくる
藍さんは私が今の仕事が大好きなのを
知っているから


『結構、遠まわしで言ってくるんですよ。なんだか疲れちゃいます』


和弥の事が嫌いなわけじゃない
けど、結婚は別な話


「和弥くん、束縛やろうだったね」


私を気に掛けてくれている藍さんに申し訳なく思いながら、私は話題を変えた

藍さんにも和弥とのことを
あまり話したくないから

話したらボロが出そうな気がしたからだ


『お腹空きましたね、先に食べちゃいましょうか?』

時計を見れば、9時を過ぎていた