「亮、何言ってるの?綾斗くんには沙耶ちゃんが居るんだからもう振られたも同然・・・で・・・」




思わず言葉が詰まる




・・・何・・・その顔っ



まるで困った子供を見守るかのように




眉を下げて微笑みながらも、瞳は寂しそうに




「・・・ナニ?」



「本当にあの2人、付き合ってると思う?」



「な、なに言ってっ・・・だって今日、亮が沙耶ちゃんに聞いたらハッキリとそう答えてたじゃん・・・」



そうだよ




さっき


本当にさっき・・・目の当たりにしたじゃん



幸せそうな2人を



ちゃんと聞いたじゃん



沙耶ちゃんが綾斗くんを『彼氏』として亮に紹介してるのを



なのに・・・



なんで


「なんで・・・?」



そんな顔するの?



「・・・俺はそこまでお人好しにはなれないよ。本人にきいてみなよ?・・・兎梁くんにさ」