学校祭はもうすぐ終わり。

二日間の中での思い出といえば…。

楓華と回ったくらい。

特に燃えるようなことはなかったし。

「はあ〜疲れた」

して意味があるのかどうか。

皆、グダグダでやっていたし。

学校祭ってこんなもんだったんだなぁ。

私の愛読している漫画では楽しそうだったのに。

「桜華〜、帰ろうぜ!」

またこのタイミングで…。

なんて最近は思わなくなってきた。


前までは少し憂鬱だった帰り道。

他人からの目が気になって嫌だった。

『夕日、綺麗だな』なんておもいっきりカップルじゃん!

だから光輝に彼女がいた頃には罪悪感があった。

でも今ではすごく楽しくて、幸せ。

これが…恋なんだよね?


「今日は無理です〜だ」

「え、なんでだよ」

「ははは、嘘だよ!」

こんな他愛もない会話が今の私にとって宝物。

光輝には何も感じないかもしれない。

手を繋いだからって特別扱いしてもらいたいわけじゃない。

『手相ってさ、変えれるんだぜ?
手相はその人の人生を表している。
だからこの世界の人はその手相を変えられる人
にいつか巡り会うんじゃないかな』

そんな話をしてくれたね。

だから私は…。

あなたのその手の中に少しでも長く、近くにいたい。