そのお話は女の子の夢の中だった。
女の子は楽しそうに夢を見ていた。このまま夢の中でいたいなと思いながら…。
だが近くにいたのが
(ねぇ、私ねあなたのことが羨ましいって思ってたの。)
「まって…妖精さん…置いていかないで…ムニャムニャ」
(私はあなたみたいに自由に動き回りたいの。だから……)
【あなたが欲しいの。】
次の日。
「お母さん、いってきまーす!!!」
「いってらっしゃい、気をつけるのよ。」
そう言いながら女の子は友達と遊びに行った。
「あら…」
お母さんは女の子を見送った時、ある物を見たのだ。
「あの子…チューリップをどうしたのかしら…」
お母さんが見たのはチューリップがあったはずの植木鉢。そこには植木鉢と土だけしか無かったのだ。
「まぁ、いっか」
その様子を見ていたのが
『お母さん…お母さん…あたしここにいるよ?ねぇ、気づいて…』
「あーあ、お母さん、あなたの事気付いてないみたいだね。じっと居られるんだから…良かったね。」
『お願い、あたし嫌だよ…!!!』
「泣かないで、大丈夫だから。死なせないようにちゃんと、水あげるから。じゃあ、友達と遊んでくるね〜!」
『まって!!!行かないでえええ!!!』
そう、あの女の子は
チューリップとなっていたのだった。
しかも咲いてる場所が道路の端。
『やだぁ…お願い…怖い、怖いよ…』
その女の子の生涯は短かった。
そして、あのチューリップから女の子の生涯は幸せに過ごしたという。