「かおる姫、機嫌直してちょうだいよ」


結局、草刈りの打ち上げはバーベキューに変更になった。

言い出しっぺのカイさん以外は、みんなキャバクラには乗り気じゃなかったみたい。


「ねぇねぇ、姫ってば〜」


あたしの好きなお菓子やジュースを持って擦り寄ってくるカイ先輩にはそっぽを向いて、あたしはさっきから肉ばかりを食べまくっている。

でも内心、ほっとしていた。

先輩が――キャバクラなんて行かなくてよかった。


「どうせお子ちゃまは置いてけぼりで、大人ばっかり大人のお店にほんとは行きたかったんでしょ」


「もう、ごめんてば〜」


あと……さっきクラブハウスでシャワー浴びてきてよかった。

無邪気なのかなんなのか、カイ先輩との距離が近すぎて、あたしはどきどきしていた。


先輩も、シャワー浴びてきたのかな。

ほんのり石けんのにおいがする。


「ほら薫!花火買ってきたから一緒にやるぞ」


仕方がないから、あたしは少しだけ笑顔を浮かべて、機嫌がなおったフリをしてあげた。