「――よぉ」


案の定、ローレルの横に立ってこちらに手を振ったのは、カイ先輩だった。

もちろんカイ先輩に会うのはあの日以来のこと。


「リュウが、今日は昼までで学校終わるって言ってたから――よかった、待っといて」


「……リュウくんを待ってるんですか?」


カイ先輩の前で、笑顔を作ることも出来ないくらい、あたしは憔悴しきっていた。

出来るだけはやく、カイさんの前から立ち去りたい。


「いや、おまえを待ってた」


カイ先輩の思わぬ言葉に、あたしはおそるおそる先輩を見上げた。


「――あたし……?」


「飯でも食いに行かない?」


あたしは頭の中がぐらぐらとなって、思わず目を閉じた。

カイ先輩と、のこのこ御飯を食べに行けるほど、あたしの心は強くなかった。


「ごめんなさい……せっかくなんですけど、ちょっと具合悪くて」


「じゃあ家まで送る。乗って」


正門から出てきた生徒たちが、物珍しげにこちらを眺めている。

カイ先輩に強く肩を押されるように、あたしはローレルに乗りこんだ。