課長も昔から可愛がっているその営業所長のこと、助けてあげたいって気持ちは分かる。 分かるんだけど……! 他にやり方、なかったのかな。 はあ、とため息。 そこで、あれ、と違和感を感じた。 さっきから車内が若干寒くなったような気がする。空調の調子が悪いのかしら。 「すみませーん」 すかさず私は通りかかったワゴンサービスのお姉さんにホットティーをオーダーした。