一人だと何もできない、小さな子供。



目の前にいる、何も言わずに私に付き合ってくれた戸山くんや、少しでも私が笑顔になれるように

明るく接してくれたメグや、面と向かって私にぶつかってきた佳奈の方が。


 
私よりもずっとずっと大人だ。



私はその周りの大人たちに甘えてきただけ。



やっと気づいたその事実に、私は衝撃を受けた。

 

自分がここにいるのがものすごく恥ずかしくなった私は、戸山くんの横をすり抜け、

全速力で走った。



「さくら!!」




後ろからメグの声が聞こえたけど、私が足を止めることはなかった。
 

 
ただただ、その場から去りたくて。