「今年はね、本命チョコだよ」 思ったより声が細くて、戸惑いながらも理央の視線と自分のそれを重ねた。 言った後、頬が熱くなるのを感じた。冬の寒さなんて感じないくらいに。 理央の熱がうつっちゃったみたいだね。 私の声が理央の耳に届くと、理央は一瞬驚いて、瞬きを繰り返し、そしてふわりと笑った。 「俺、このチョコは欲しい」 END