【短】もうチョコはいらない。



「ん?これ.....チョコ?」

「あっ.....!」

ばらまいた中身の最後のひとつのチョコを手にしたクラスメイト。

「誰かにあげるの?」

興味本位で聞いてきた彼に、私は目を伏せながら「ううん」と答えた。


あげる、つもりだった。


何も知らない彼に本当のことを言えなかった。だから私は、首を振った。

「友達にあげるチョコが余ったの」

咄嗟に口から出た言葉。嘘をついちゃった。
でも、本当のことなんて、きっと言えない。