【短】もうチョコはいらない。



「大丈夫か?」
床にばらまいてしまったカバンの中身を拾っていると、教室に入ってきた男子が声をかけてきた。

クラスメイトの顔を見て、安堵した。
よかった、理央じゃない。

扉が開いた時、もしかしたら理央かもって思って、ずっと誰が入ってきたのか見れなかった。

手を滑らせたのも、そのせい。

「手伝うよ」
「ありがとう」

優しいなぁ。
すぐに手伝うと言ってくれたクラスメイトに、私は微笑んでお礼を言った。

午後の授業をサボっていたことについては触れてこなかった。やっぱり優しいな。