何とか足を動かす雛罌粟を励ましながら、走り続ける耕介。

そんな彼らの前に。

「雛罌粟!」

爆音を立てて、1台のバイクが停止する。

GSX1100S KATANA。

駆るのは巽だ。

耕介を心配し、探偵事務所に戻った雛罌粟を追って、彼もまた戻ってきたのだ。

「よかった、蓮杖も無事だったか」

フルフェイスヘルメットのバイザーを上げて呟く巽。

「案の定奴ら、事務所に襲撃してきやがった。襲われた時はカミサンの顔が脳裏をよぎったぜ」

お決まりの口癖を出す耕介。

しかし、呑気に話している暇はない。

「!!」

耕介達を、バイクのヘッドライトらしき強い光が照らし出した。