耕介は座り直し、巽と倉本を見る。

「鬼首會の五次団体の事務所に乗り込もうと思う」

「……雛罌粟さんの復讐をする為か。チンピラ達を皆殺しにする為か」

倉本の問いかけに、耕介は頷いた。

「頼みがある。ショットガンでもコルトローマンでもいい。銃を貸してくれ。アンタ達には迷惑かけねぇ。俺が盗んでいったって事にしてくれりゃいい」

そう言った耕介の頬を。

「っっっっっっっ!」

倉本は殴った。

椅子から引っ繰り返り、床に倒れる耕介。

「警察を辞職して数年…何も学習していないようだな、蓮杖」

耕介を見下ろす倉本。

「それではお前に誤射された女の子も浮かばれまい。雛罌粟さんも悲しむだろう。お前の言う『本当の愛』を教えてくれた男が、そんな外道ではな」