そういえば永瀬にも、ハルカとかいう跳ねっ返りの彼女がいると聞いた。

アイツも今日はチョコ貰ってるんだろうな…。

そんな事を思いながら、ドッカとソファに座った巽に。

「巽さん…」

雛罌粟が歩み寄って来て、ラッピングされた箱を差し出した。

「義理チョコどーも…」

苦笑いしながら受け取る巽。

しかし義理にしては、気合の入ったラッピングだ。

「違います…私からじゃなくて環さんから…」

抑揚なく雛罌粟が言った。

「今日はバレンタインイベントの仕事が入って会えないからって…環さんから預かってました…」

「ケケッ、よかったじゃねぇか色男」

耕介が巽の背中をバンバン叩く。