「だ、誰っ……………!?」




声のした方を見ると、教室のドアに寄りかかる男子がいた。




柔らかそうな茶色の髪、モデルのようにスラッとした体、そして俊介くんと同じくらいに整った顔立ち。




話したことはないけど、名前は知ってる。




「野上、くん……………!?」




隣のクラスの、すっごくモテる男子。




俊介くんといつも一緒にいる、いわゆる親友だ。




「イケメン二人が同時に見られる!」って、女子は喜んでいた。





でも、なんでそんな人がここに……………!?





「それ、捨てんのかよ?もったいねぇな……」




驚いて固まる私に、野上くんはもう一度同じことを質問した。




「…………え、ごめんなさい。でもこれ、もういらないものなので…………」




「いらないもの?なんだよそれ。俊介はまだどっかにいるぞ?」




「……………!?」





この人、なんで私の好きな人を知ってるの!?




「なんで、って顔してんな。だってお前、すっげぇ分かりやすいし。気づかないのは俊介くらいじゃねーの?」





意地悪そうに笑う野上くん。




「そ、そんなっ……………!」





今まで、バレないようにしてきたのに…………!!





「…………なぁお前、ほんとに俊介のことが好きなのかよ?」




「…………」




野上くんがいきなり真剣な顔をした。




まるで、嘘なんてつかせないと言ってるみたいだ。




もうバレてるんなら、隠しても意味はないか…………。




「……………はい。ほんと、です!」