だから、俺にしろよ。~運命の人と恋する方法~

「……葉月って、俺が呼んでるから」


俊介くんは数回まばたきを繰り返し…それからブッとふきだした。


「アハハハハッ、何それ!悠太が呼んでるからって…理由になってないよ!?

葉月ちゃんの気持ちはどこにいくの!?ハハハ、もうダメ…!」


「葉月ちゃん」


そう呼ばれただけなのに、なぜか泣きそうになった。


そうだ、私は知ってほしかったんだ。


自分の存在を、「たくさんいる女子の中の一人」としてじゃなくて


篠宮葉月という、一人の女の子として。


瞳を潤ませている私を見て野上くんは一瞬驚いた顔をしたが、舌を出して「バーカ」
と意地悪そうに笑った。