あーもーこれ、私完全に空気ですね。


空気はスーッと消えていくのが一番安全だ!


申し訳ないけど、野上くんにはまた後で協力してもらおう……!


「俊介だって他校の女子にナンパされたとき…」


「えっ、あれってナンパだったの!?」


「そこからかよ!」


話しながら俊介くんは、楽しそうに笑っている。


この笑顔を壊さないように、それこそ空気のように自然に消えたい!


「あの、私、先に行きますね……」


愛想笑いを浮かべ、その場を去ろうとしたら


「おい、葉月?何先に行こうとしてんだよ」


野上くんに腕をひかれ、引きとめられた。