「ちゃんと、渡せるかなぁ……………?」




手に持っていたピンクのビニール袋が音をたてた。




中にはクッキーとついでに買ったボールペン。




……そうだよね、せっかく頑張って作ったんだもん。




「よしっ、いくぞっ!」




頬をパチンと叩き、私は教室を後にした。









……………俊介くんを追いかけて、来てみたけど………。




「うわぁ、相変わらず女子が多いなぁ…………」





女子に囲まれて、俊介くんはほとんど見えなかった。




たまに困ったように笑う俊介くんの顔が見えるけど、それも人混みに書き消される。




「もう、全然近づけないよ………!」




よし、こうなったら…………!