だから、俺にしろよ。~運命の人と恋する方法~

「あ、そうだった」


教室から出ていこうとした野上くんが、足を止めた。


「……………?」


「今日のぶん。…………それ、くれよ」


右手を出されたけど、何のことかさっぱり分からない。


「えっ………?な、なに……」


今日のぶんを、あげる?私が?……何を?


聞き返すのも失礼かな、と思い野上くんの視線の先を追うと………………。


私の手のなかに、それは向かっていた。