「新しい子でも探そーかなー」
「よし!そうするか!」
みんながわいわい盛り上がっている中さらだけが暗い顔をしていた。
「さら、どうしたの??」
「う、ん、あのね…お母さんが言ってたんだけどね…、山田さん行方不明らしいの。」
「え?どっかの高校に逃げたんじゃないの??」
「もしかしてさら…あいつが私達にいじめられて山の中に行ったとか思ってんじゃないの?山田だけに」
莉奈の一声でみんなが笑う。
さらも笑っているけど無理しているんだろう。
今話している山田というのは山田栞。
そう山田も中等部で同じだった。
山田栞は綺麗な黒髪で艶がでていて、結構可愛かった。が、いつも独りでうつむいていた。
もっと積極的に友達作ればいいのにと思っていた。
ある日莉奈が山田栞に目をつけた。
そして、私達は山田をいじめていた。
私はいじっているつもりだったが、今思うとひどいことばかりしていたからきっといじめだったんだなと思う。

