フィンセはナンバー1


 そんな願いも虚しく、翌日の朝から学校の周りに、マスコミが群がっていた。


 どうしよう。これじゃ、昇降口まで行けない……。


 あたしは、電信柱の陰から学校の方を見た。

 そうだ!校舎裏から、塀を上って行けば、何とか中に入れるかな?


 あたしは、急いで校舎裏へ回った。


 塀の高さは、それほど高くないし、ジャンプしれば、何とか塀に上れるかも知れない。

 あたしは、周りに誰もいないことを確認すると、鞄を塀の向こう側に投げてから、ばんざいをする形で、塀のてっぺんに向かって、ジャンプしたけど、もう少しというところまで行っているのに、届かないでいた。

「もう少しで、届くのにー」

 あたしは、がっかりと肩を落とす。


 マスコミがいなくなるのを待ってから、正門から入るしかないのかな……。

 そんなことを考えていると、誰かがあたしの横で、軽やかに塀に上って行った。

「大丈夫か?」

 塀の上で、りく君があたしに、手を差し伸べた。


 あたしは、ためらいもせず、りく君の手を掴んだ。

 校舎裏へ入ることができると、あたしは、改めてりく君にお礼を言った。

「りく君、助けてくれて、ありがとうー」