フィンセはナンバー1


 未来は、息を切らせながら言った。

「未来、ありがとう……」

「さっきは、どうなるかと思ったねー」

「うん……。でも、未来はどうして助けてくれるの?」


 直也君とも付き合っていて、りく君のこと想っているなんて最低なのに……。


「琴音は、臆病だからねー。どうせ、穂乃花にりくを譲ろうと思ったんでしょ?それで、諦めようと、南君と付き合うことにしたんじゃないの?」

「……どうして、わかったの?」

「何年、琴音の友達やってると、思ってるのよ!」

 未来が、あたしの肩をポンと叩いた。


 未来とは、小5からの付き合いだし、いつも、未来には助けられているけど……。


「そんな琴音だもん。悪女だなんて、思ってないよ!」

「未来ー」


 あたしは、未来の言葉に、ジーンとしてしまった。


「でも、困ったね。さっき、バレそうだったし、ウイッグも駄目かー」

 未来は、顎に手をやった。

「でも、モザイクで顔が、よくわからないのに。気がつくなんて……」

「現物の写真で、琴音の顔を見てるのかも……」

 未来は、フーと一息つく。

 そうか!それなら、納得だ。

「早く、諦めてくれたらいいんだけどー」