フィンセはナンバー1


 今日だけ借りられれば、大丈夫かー。


 あたしと未来が、正門へ向かって行くと、アナウンサーらしき男の人が、あたし達に近づいてきた。

 この人、知っる!朝の番組で見たことがある。

「ねえ、君達!りくの熱愛報道で、相手がこの学校にいるって聞いたんだけど、君達、知らないかな?」

 アナウンサーが、あたし達に声をかけた。


「さぁー?」

 未来は首を傾げると、とぼけてみせた。


「じゃあ、今日は、りくは学校に来てたかな?」

「会ってないので、わかりません」

 未来は、きっぱりと答えた。

「じゃあ、君は?」

 アナウンサーが、あたしの方に顔を向けた。

「あれ?君……」

 アナウンサーは、眉をひそめると、あたしの顔を覗き込んだ。


 やばっー!!バレる!?


「あたし達、急いでいるので、失礼します!!」

 未来は、あたしの腕を掴むと、走り出した。

「あ、ちょっと、待って!君達……」

 アナウンサーが叫んだけど、あたし達は、振り向きもせず、夢中で走った。


 ハアハア……。

 どのくらい走っただろう。

 学校が見えなくなると、未来は立ち止まった。

「ここまでくれば、大丈夫か」