フィンセはナンバー1


 直也君が、日誌を持ったまま言った。

「わかった。先に行ってるね」

 あたしは、会議会場になっている視聴覚室へ向かった。



 廊下の窓の外を見ると、りく君が誰かを待っていた。

 1台の車が止まると、中からスーツを着たスラッとした男の人が降りてきて。


 きっと、マネージャーかなー?


 そう思っていたら、後部座席から穂乃花ちゃんが顔を出した。

「……!!」

 どうして、穂乃花ちゃんがいるの……?


 あたしの心臓が、キューと締め付けられる。

 りく君は、マネージャーらしき男の人と、一言二言、話すると、一緒に乗って行ってしまった。



 マネージャー?もいたし、きっと、仕事で迎えに来ただけだよね……。

 でも、穂乃花ちゃんが一緒なのはどうして?


 あたしは、いつまでも外を見つめていた。


「琴音ー!?どうしたの?先に行っているんじゃー」

 ぼっとしていたら、直也君が驚いた顔で立っていた。


 いけない!!あまりにもショッキングな出来事だったから、会議のこと忘れてたー!!


「もう、日直の仕事終わったの……?」

「当たり前だろ?あれから、何分経っていると思ってるんだよ」