フィンセはナンバー1


 りく君と穂乃花ちゃんは、お互いに見つめ合うと、仲良く食べさせあっていた。


 チクン……。

 学校へ行く準備をしていたあたしの心臓が落ち着かない。

 あたしにあんなことしておいて、穂乃花ちゃんとは仲良くチョコを食べているなんて、何だかムッとしてしまう。


 やっぱり、2人が一緒にいるところを見ると、妬いちゃうな……。





 学校へ行くと、りく君と穂乃花ちゃんのCMが、話の持ちきりになっていた。


「観た?りくと穂乃花のCM」

「観た観た!デマとか聞いたけど、やっぱり、あの2人、付き合ってるぽいよねー」

 クラスの子達は、あれこれと噂していた。


 確かに、りく君と穂乃花ちゃんが、見つめ合っている場面では、2人で目で合図しているようにも見える。

「はぁ……」

 あたしは、知らないうちに、溜め息が漏れた。

「琴音、おはよー」

 直也君が、鞄を机に置きながら、あたしに挨拶した。

「おはよー」

「何、溜め息ついてるの?」

 溜め息をついていたものだから、直也君は心配そうに、あたしの顔を覗き込んだ。

「DVD観てたら、寝不足でー」

 また、もう一つ嘘をついてしまった。