「あ、次の授業の準備しなきゃ!」
未来は、あたし達に気を使っているのか、自分の席へ戻った。
「……直也君、ごめんねー。りく君に逢わないって言ったのに、約束を破ってー」
あたしは、いいずらそうに、少し低めの声で言った。
「俺も知らないで、ついOKしちゃったんだし、仕方がないよ」
「……」
「そんなに、落ち込むなよ」
直也君は、あたしの頭に、ポンと手を置いた。
『あいつと別れろよ』
さっき、りく君に言われた言葉を思い出して、トクンと心臓の鼓動が波打つ。
りく君は、忘れろって言ったけど、あたしの脳裏には、りく君の言葉がまだ、残っている。
「どうかしたのか?」
直也君が、あたしの様子に気がついて、あたしを見た。
「な、何が……?」
「何だか、変だからー。もしかして、りくと何かあったのか?」
急に、直也君の表情が暗くなる。
「や、やだなぁー!何もないってばー。未来と同じこと言わないで」
直也君ー。嘘ついて、ごめんね……。
2、3日経ったある日のこと。
テレビで新しいチョコのCMでは、りく君と穂乃花ちゃんが共演していた。
「一粒食べれば、甘い口どけ……」
