フィンセはナンバー1


「俺のこと、避けてないか?」

 急に、りく君が言うので、あたしは背を向けながら応えた。

「そ、そんなことないよ……」

「じゃあ、こっちを向けよ」

 りく君に言われて、渋々振り向いた。

「……!!」

 いつの間にか、りく君が目の前に立っていて、あたしはドキッとする。


 直也君との約束、守らないといけないのに……。

 りく君から、目が離せない。

「どうして、俺のこと避けているんだ?」

 りく君はもう一度、聞いた。

「だから……別に、避けてなんかいないし……」

 目が泳いでしまう。

「あの、彼氏に何か言われたのか?」

 少し考えた後、りく君は直也君のことを口に出した。

「な、直也君は、関係ないから……」


 りく君って、結構、感が鋭かったんだー?


「り、りく君には、関係ないでしょ?もう、フィアンセじゃないんだし……」

「避けられてるのに、関係なくないだろ?じゃあ、どうして、そんな顔してるんだよー」

 りく君が、あたしの顔を覗き込んだ。

「……」

 あたしは、いつの間にか、辛そうな顔になっていた。


 りく君が、グイッとあたしを抱き締めた。

「り、りく君ー!離して」