これ以上、りく君に逢ったら、直也君に嘘ついたことになるよね……。
あたしは、直也君の方をチラッと見た。
直也君はみんなに、いろいろと仕事を頼まれて忙しそうにしていた。
「南君ー!琴音のこと、借りてくねー!!」
直也君のことを気にしていたら、未来が直也君に向かって叫んだ。
「ああー。いいけど」
直也君は、すぐに返事を返した。
「いいって!ほら、早く」
未来は、あたしを急かした。
「ちょ、ちょっと、未来ー!」
あたしは、未来に急かされて、教室を出た。
「何、南君のこと気にしてるのよ」
廊下へ出た後、未来があたしの背中をパシッと叩いた。
「ちょっと……。りく君と逢わないように言われてて……」
「何?りくとなんかあったの?」
未来は、興味本位で聞いてきた。
「や、やだなー。何もないってばぁー」
「ふーん?まあ、いいけどー。南君みたいな彼氏、めったにいないんだから、大事にしなよー」
「……うん。わかってる」
あたしは、コクリと頷いた。
2年生のりく君のクラスに行ったけど、今日も教室に見渡らなかった。
「あのー。りく先輩、何処にいるか知りませんか?」
