フィンセはナンバー1


 直也君は、そう言うけど、芸能人と写真に撮られるなんてなかなかないし、みんなの願いを叶えてあげたい。


「琴音ー。行こう」

 直也君に促されて、教室へ戻った。


「琴音ー!どうだった?りくに聞いてきたんでしょ?」

 教室へ入ると、未来が、期待に満ちた目で早速、聞いてきた。

「そ、それが……。駄目だったー」

「えっー!!残念」

 未来は、がっかりした顔で肩を落とす。

 それを聞いて、周りにいた子も残念そうな顔をした。

「ごめんねー。説得力不足で……」


 仕事とはいえ、時間をずらしてもらうとか、何か方法があったかも知れない。

「はあー。また、催し物考えないとねー」

 みんな、渋々、自分の席に戻って行った。


「俺達も催し物、考えよう」

 直也君が、あたしの肩にポンと手を置いた。

「……」

 諦めるしかないのか……。



 でも、その日の学活のことだった。

 先生が、慌てて教室に入ってくると、嬉しそうに、こう言った。

「みんなー!喜べー。三浦の事務所の許可がおりて、催し物は予定通り写真館に決定だぞー!」

「先生!それ、本当?坂口さんと直也が聞きに行ったら、無理だって……」