フィンセはナンバー1


 もしかしたら、校舎裏かもー!?

 あそこで、よくセリフの練習をしてるし。

 あたしは、パッと走り出した。

「琴音ー!?」

 あたしが、急に走り出したものだから、直也君は驚いた顔で、あたしを見たけど、黙って、あたしの後について来た。


 校舎裏へ行ってみると、りく君がベンチに座りながら、台本を読んでいた。
 やっぱり、いたー!!

「はあはあ……。何だー、ここにいたのかー」

 直也君は、息を切らせながら、呟いた。

 あたしと直也君は、りく君に近づいた。

「あの、りく君ー」

 あたしは、りく君に声をかける。

「2人そろって何か用か?」

 りく君は、あたし達に目を向けた。

「文化祭の催し物で……」

 りく君に頼もうとした時、直也君が、先に事情を話した。


「俺、その日は撮影が入っていて、無理だから」

 最後まで話を聞いてくれたりく君だったけど、残念そうに溜め息混じりに言った。

「ならいいですー。他の催し物をやるので」

 直也君は、ホッとした顔をさせた。

「で、でもー。それで、みんな納得するかな……?」

 あたしは、困った顔で言う。

「仕方ないよ。仕事なんだから……」