「えっ……」
あたしは思わず、りく君の方を振り向いたけど、りく君は見向きもせず、絆創膏を傷口に貼っていた。
「琴音ー」
あたしが、ぼっとしていると直也君が、あたしの肩を叩いた。
「な、直也君ー。どうしたの?まだ、授業中じゃ……」
「具合が悪いって言って、抜け出してきた。琴音も、心配だったし」
直也君は、すました顔で、応える。
1時間目、自習だし、抜け出しても大丈夫ってこてかー。
「それより、あいつと何話してたんだよ……?」
「……何って、別に……。先生いないから、怪我の手当てしてあげてただけだけど」
あたしは、少しぎこちなく言った。
直也君は、あたしの顔を覗き込んだ。
「さっきより、顔色いいみたいだな」
「あ、うんー。2時間目からは出られそう」
あたしは、俯き加減で、言った。
りく君の前でそんなに、見ないで……。
あたしは、チラッとりく君の方へ目をやる。
りく君は、気にしない様子で、使ったピンセットの後片付けをしていた。
「もうすぐ、1時間目も終わるし、教室へ戻ろう。次、移動教室だって」
直也君が、あたしの手を掴むと保健室を出ようとした。
