フィンセはナンバー1

 あたしのこと、気にしてくれてたのー?


「寝たら、随分、いいみたいー」

「なんだ、ただの寝不足かー?」

 りく君は、心配して損したと言う顔で、溜め息をついた。

「ち、違う。本当に具合が悪かったの!」

 あたしは、頬を膨らませた。

「そうかぁー?」

 りく君は、いたずらっ子みたいに、あたしをからかった。

「信じないわけ!?」

 傷口の手当てをしながら、あたしは、りく君をチラッと見た。

 ドキン……!!

 いつの間にか、りく君が真剣な眼差しで、あたしを見つめていた。

 急に、りく君とキスしたことを、思い出して鼓動が速くなる。

 ガタン!

 振り向くと、いつの間にか直也君が、何もいわず立っていた。


 治療を止めて、急に立ち上がったものだから、綿についた消毒液が、傷口に強くあたってしまい、りく君は小さな悲鳴をあげた。

「ご、ごめん!」

 あたしは慌てて、りく君の腕を掴むと、傷口を見た。

「このくらい、平気だって」

「ごめんー!」

 あたしは、パッと手を離すと、直也君の方へ行こうとした。

「行くなよ……」

 りく君が、独り言のように、呟く声が聞こえてきた。