フィンセはナンバー1

体調が悪くなったなんて知られたら、余計に直也君を傷つけてしまう。


「わかったー。でも、1時間目だけは保健室で休んでること。どうせ、自習だし」

 直也君に念を押されて、仕方なく頷いた。




 1時間目、ゆっくり保健室で休んでいると、りく君が入って来た。

「先生いないのか?」

 りく君は、キョロキョロと見回した。

「せ、先生は、職員室だけど……」

 あたしは、りく君の肘に目がいった。

「肘、擦りむいてるー」

「体育で、擦りむいた。仕方ないなー、自分でやるか」

 りく君は、消毒と絆創膏を探し始めた。

「消毒と絆創膏は、あそこの棚の中……」

 りく君が、探しているのを見かねて、あたしは場所を教えてあげた。

「ある場所、よく知ってるな」

「保健係を、やったことあったから……。良かったら、あたしがやってあげようかー?」

 あたしは、消毒を手に取った。

「助かる」

 りく君が、珍しく、素直にあたしの言うことを聞いた。

 あたしは、ドキドキしながら、りく君の怪我の手当てをしてあげた。

「顔色、少し良くなったみたいだなー」

 手当てをしてもらいながら、りく君が、あたしの顔を覗き込んだ。