フィンセはナンバー1


「お、おはよー」

「今日の英語の宿題やってきたか?」

「え?あ、うんー」

「やってくるの忘れてさー。琴音、見せてくれないか?」


 珍しいー。直也君が、宿題をやっていないなんてー。


「いいよ」

 あたしは、英語のノートを鞄から取り出すと、直也君に渡した。

「サンキュー。助かるよ」

 ノートを受け取ると、黙々と自分のノートに写し始めた。


 もしかして、あたしのせいで、宿題ができなかったとしたら……。


「……直也君、宿題ができなかったのって、昨日、あたしが拒否したことが原因じゃ……」

「そんなことないよ。あれは、琴音の気持ちも考えずに、俺も慌てすぎたし……」

 直也君の手が、一瞬止まると口を開いた。

「……」

「今は、この話はやめよう」

 直也君は、口を閉じたまま、また書き始めた。


 まだ、りく君に気持ちがあるのを知っていて、付き合い始めて何週間か経ったけどー。

 まだ、りく君に気持ちがあるって気づいてるよねー。きっと……。




「琴音!明日、学校の校舎裏で、撮影をやるみたい!」

 未来が、ウキウキした声であたしに言う。

 りく君の怪我も順調に回復して