直也君は、心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
「な、何でもない。ちょっと、熱っぽい感じがしてボーとしてただけだから……」
あたしは、慌てて、嘘をついた。
「大丈夫か?」
直也君が、あたしのおでこに手をあてた。
「熱はないみたいだなー」
「だ、大丈夫。たいしたことないし……」
「なら、いいんだけど……」
「……」
あたしは、何だか気まずくて、俯いた。
「じゃあ、また明日ー」
家の近くまで、送ってもらって、帰ろうとした時だった。
「琴音ー」
急に、直也君に腕を掴まれた。
「……どうしたの?」
直也君は、黙って、顔を近づけた。
キスされるー。
そう思った瞬間、あたしは、無意識のうちに、顔を背けていた。
「ご、ごめん……。あ、あたし……」
あたしは、しどろもどろに言う。
「こっちこそ、ごめんー。急に……」
「う、ううん……」
あたしは、ブンブン首を振る。
何だか、条件反射で拒否しちゃったけど、付き合っているんだから、したほうがよかったのかな……。
翌日ー。
「おはよー」
直也君に挨拶されて、あたしは気まずそうに挨拶した。
