「危ない!」
あたしは、慌ててりく君を支えようとしたけど、りく君の身体の重みで、あたしまで倒れそうになった。
「ふぅー」
間一髪、何とか壁に寄りかかて、倒れないですんだ。
気がつくと、りく君に抱き締められているような、感じになっていた。
あたしの心臓が壊れそうになるくらい、一段と速くなる。
りく君は、あたしをギュッとと抱き締めた。
「りく君……?」
りく君は、そっと、身体を離すと、顔を近づけた。
「りくー!」
女子達の呼ぶ声が、遠くで聞こえてきた。
「悪い……」
りく君は、あたしから顔を離すと、慌てて行ってしまった。
りく君が行ってしまった後、あたしはその場に、へなへなと座り込んでしまった。
今、キスしようとしてたよね……?
穂乃花ちゃんがいるのに、どうして?
頭の中が、真っ白になった。
「琴音、聞いてる?」
直也君の呼びかけに、あたしは、ハッとした。
放課後、直也君と一緒の帰り道ー。
直也君があたしに話しかけてくれているのに、昼間のりく君が気になって、ボーとしてしまっていた。
「どうしたの?何だか変だよ……」
