フィンセはナンバー1


 これでよかったんだよね……。


 ギュッーと心臓が縮む。


「坂口さん、大丈夫?」

「う、うんー」

 慌てて、ぎこちなく微笑んだ。

「坂口さん。やっぱり、無理してるなら……」

「やだなぁー。南君、何言ってるの?無理なんてしてないから」

「それなら、いいんだけどー。じゃあ、本格的に付き合うことになったんだし、その南君って言うのやめて、名前で呼ばないかー?」

「……」

 確か、南君の下の名前は直也だったよね?

「俺は、琴音って呼ぶから。琴音も呼んでみて」

「……な、直也君」


 何かしっくりこないけど、きっと、呼んでいるうちに慣れるよね……。





 あたしと南君が付き合い始めて、何週間か経ってからのことだったー。


「直也君ー。何、読んでるの?」

 休み時間、隣で直也君が真剣に何か読んでいるので、気になって声をかけてみた。

「あ、いや。別にー」

 直也君は、慌てて読んでいた雑誌をさっと、机の中に隠した。
「怪しいー。エッチな雑誌だったりして」

 あたしは、疑いの眼差しで直也君を見た。

「ち、違うから。そんなの見てないって!」

 必死になって直也君が否定していると、