病院の出口に向かう途中、自販機で、運転手さんが椅子に座って、コーヒーを飲んでいた。
「いえ、寝ていたので……。でも、無事みたいなので、安心しました」
金森さんが言っていたことを、運転手さんに話して、おじさんに伝えてもらうことにした。
『あなたが近くにいると、りくが不幸になる』
穂乃花ちゃんの言葉が、呪文のように蘇ってくる。
やっぱり、りく君には、穂乃花ちゃんがお似合いなんだ……。
それから、何度か病院へお見舞いに行こうとしたものの、なかなか行けずにいた。
それから、何日か過ぎ、昼休みに、南君を屋上へ呼び出した。
「南君ー。この間の返事のことだけど。南君の彼女にしてください」
付き合うかどうか、よく考えた結果、付き合うことに決めた。
「まだ、りくのこと、好きなんだろう?本当にいいのか?」
南君は、確かめるように、あたしの顔を覗き込んだ。
「うん……」
あたしは、小さく頷いて見せた。
「やったー!」
南君は、あたしをギュッと抱き締めた。
「坂口さんのこと、大切にするよ。少しずつでいいから、俺のこと好きになって」
あたしは、南君の腕の中で頷いた。
