フィンセはナンバー1


 ズキン……!!

 あたしの胸が締めつけられて、息ができなくなるくらい苦しくなる。



「どうしました?こんな所で」

 あたし達の話し声に気づいて、金森さんが病室から出てきた。

「琴音様。わざわざ、いらしてくれたのですか?」

「……」

「琴音様?」

 無言のまま立ち尽くしていたあたしに、金森さんが優しく肩に手をやった。

「……お、おじさんが、金森さんの連絡を待っていて……。連絡が遅いので、あたしに、様子を見てくるようにとー」

 あたしは、何とか言葉を伝えた。

「バタバタしていたもので、連絡が遅くなりまして、申し訳ございません。幸い、足の骨折だけで、命に別状はないとのことです。旦那様にお伝えしていただけますか?」

「はい……」

 ホッと、胸をなで下ろした。

 りく君が無事で、よかった。

「今、眠っておられますが、宜しかったら、お会いになってあげてください」

 そう言と、金森さんは、ドアをあけようとした。


「あ……。いえ、起こしちゃ悪いし。今日は、帰ります」

 穂乃花ちゃんの視線が気になって、思わず、身体を翻した。


「お早かったですね。坊ちゃまに、お会いになれましたか?」