フィアンセじゃなくなったし、もう、りく君とは関係ないってわかってる。
りく君にも、嫌な顔をされるかも知れないー。
でも、おじさんに頼まれたんだから、仕方がないよね……?
あたしだって心配だし……。
あたしは、ためらいながらも、ドアをノックしようとした。
「あら、あなたはー?」
振り向くと、穂乃花ちゃんが驚いた顔で立っていた。
「りくが怪我したの、身内と現場にいたスタッフしか知らないのに。よく、わかったわね」
穂乃花ちゃんが、あたしをじろっと睨みつけた。
怖い……。
テレビの向こうで観る穂乃花ちゃんとは、随分違う。
「り、りく君のお父さんから聞いて……」
「どうして、りくのお父さんがあなたのこと知ってるのよ?だいたい、ファンってだけで、怪我したことまで教えるかしら?」
穂乃花ちゃんは、疑いの目であたしを見た。
あたしは、とりあえず、お父さんがりくのお父さんと友達と言うことだけ、穂乃花ちゃんに伝えた。
「ふーん。そう言うことかぁー」
穂乃花ちゃんは、納得した顔で頷いた。
「……?」
穂乃花ちゃん、何が言いたいんだろうー?
「あ、あの……」
