フィンセはナンバー1


 フィアンセじゃなくなったし、もう、りく君とは関係ないってわかってる。

 りく君にも、嫌な顔をされるかも知れないー。

 でも、おじさんに頼まれたんだから、仕方がないよね……?
 あたしだって心配だし……。

 あたしは、ためらいながらも、ドアをノックしようとした。

「あら、あなたはー?」

 振り向くと、穂乃花ちゃんが驚いた顔で立っていた。

「りくが怪我したの、身内と現場にいたスタッフしか知らないのに。よく、わかったわね」

 穂乃花ちゃんが、あたしをじろっと睨みつけた。


 怖い……。

 テレビの向こうで観る穂乃花ちゃんとは、随分違う。


「り、りく君のお父さんから聞いて……」

「どうして、りくのお父さんがあなたのこと知ってるのよ?だいたい、ファンってだけで、怪我したことまで教えるかしら?」

 穂乃花ちゃんは、疑いの目であたしを見た。

 あたしは、とりあえず、お父さんがりくのお父さんと友達と言うことだけ、穂乃花ちゃんに伝えた。


「ふーん。そう言うことかぁー」

 穂乃花ちゃんは、納得した顔で頷いた。

「……?」


 穂乃花ちゃん、何が言いたいんだろうー?


「あ、あの……」